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ケロイド

ケロイドは外傷や手術などの皮膚の炎症を契機に発生しますが、突然発生することもあります。

傷跡が赤黒く盛り上がり、肉体的にだけでなく精神的にも大きな負担となります。

 

目次

ケロイドとは?

ケロイドは皮膚の深いところにある真皮という部分で炎症が続いてしまうことにより生じます。それにより傷跡の繊維成分が過剰に増殖すると元の傷の範囲よりも広がって盛り上がります。かゆみや痛みを伴い、全身どこにでも出来る可能性があります。

一方で元の傷の範囲よりも広がらない状態は肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)といいます。

ケロイドと肥厚性瘢痕とは見た目では区別は困難です。しかし、治療の効きやすさや再発の程度には大きな違いがあります。

ケロイドは自然に治ることがあまりありませんが、肥厚性瘢痕は数か月から数年で自然に白く柔らかい傷跡に変化していくことがほとんどです。

ケロイドの原因とは?

怪我はケロイドの一番の原因です。

他にはニキビや毛嚢炎のような皮膚疾患や、ピアス穴の細菌感染、リストカットの傷、帯状疱疹、BCG注射など様々な怪我が原因になります。

ケロイドになりやすいケースは以下の通りです。

傷の深さ

皮膚は表皮と真皮から出来ていますが、この真皮の深い部分(真皮網状層)に傷や炎症が及ぶと発生します。

傷の治り方

怪我や炎症の程度が重く傷の治り方が遅いと、発生しやすくなります。浅い傷でも、かゆみで掻いてしまったり、関節などにキズがあり傷が引っ張られる状況が多いと、炎症が深いところまで広がりやすくなります。

動く場所の傷

胸や肩、下腹部、関節など日常動作で頻繁に皮膚が引っ張られる場所は、常に傷に力がかかっている状態のため治りが悪く発症しやすいです。

妊娠・女性ホルモン

妊娠で悪化することが知られており、局所の血流増加や、妊娠中に増加するエストロゲン・プロゲステロンなどの性ホルモンによる血管拡張作用あるいは毛細血管の増殖が原因と考えられています。

高血圧

動脈硬化で血管が固くなると、水の出るホースを指でつまんだように血液の流れが速くなることが悪化要因と考えられています。

全身の炎症

大きな怪我ややけど、病気などでは、全身に強い炎症反応(サイトカインストーム)が生じます。そのため、ふつうケロイドにならないような小さな浅いキズでも、なることがあります。

過度の飲酒や運動

飲酒や入浴、運動後は血管が広がり、血液の流れが速くなることなどが関係していると思われます。よって、過度の飲酒や、傷に力が加わるような運動は避けることが必要です。

遺伝的因子

まだ要因が特定できていませんが、ケロイドになりやすい体質は親子で遺伝する傾向にあります。

ケロイドの治療とは?

内服薬

リザベン(トラニラスト)という抗アレルギー薬が用いられます。リザベンには、炎症を鎮める作用があり、これにより痛みやかゆみなどの自覚症状を抑えます。副作用は膀胱炎症状、肝機能障害などです。ニキビや毛嚢炎など感染由来の場合は抗菌薬の内服も推奨されます。また、柴苓湯(さいれいとう)という漢方薬も症状の軽減に効果があります。

ステロイド軟膏、テープ

ステロイドには抗炎症効果がありますので、皮膚線維細胞の増殖を抑えます。さらには赤みやかゆみに効果が認められ、ケロイドを平坦化させることが可能です。正常皮膚に影響しないよう、病変の大きさに合わせてテープを切って貼る必要があります。

安静・固定・圧迫療法

テープ、スポンジ、サポーター、シリコンゲルシート、コルセットなどにより創部を安静に保ち、絶えず力がかかることを減らします。

さらにケロイドの過剰な血流を低下させ、皮膚線維細胞の増殖を抑え、創部の炎症が改善すると言われています。また圧迫することで服や体の動きで傷がすれないため傷に対する刺激を軽減することができます。

ステロイド注射

ステロイドをケロイドの中へ注射します。塗り薬やテープのステロイド治療に比べて即効性が期待できますが、毛細血管の拡張を呈することもあり、周囲の皮膚の菲薄化が生じることもあるのが欠点です。さらに注射の痛みが伴うことと、月に一度の治療を継続する必要があります。また、薬が効きすぎると皮膚がへこんでしまうことがあります。

レーザー治療

血管の数を減らすレーザーが有効とされていますが、現在では健康保険を適用しての治療はできません。

手術・放射線療法

ケロイドが広範囲に及ぶ場合や保存的治療でも改善しない場合、ひきつれ(瘢痕拘縮)の原因になる場所や審美的に問題がある場合は、手術の適応となります。しかし手術痕が新たなケロイドになる可能性もあるため慎重な判断が必要です。

必要に応じて治療可能な医療機関をご紹介しています。

ケロイドを放置すると?

時間の経過と共にケロイドが大きくなり、線維が蓄積して硬くなると関節などで引きつれを起こすことがあります。これを瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)といい、関節が動かないなどの機能障害を生じる場合もあります。その結果、仕事や生活に問題が生じる可能性も懸念されます。瘢痕拘縮を生じてしまうと、柔らかくなるまでに相当な時間がかかりますので、手術をすることも考えねばなりません。

ケロイドのケア・予防とは?

ケロイド体質であったり、血縁者にケロイド体質の方がいたりする場合は、怪我には注意をしましょう。また、ニキビを予防したり、不必要な手術を受けたりしないようにしましょう。その他ピアスの穴開けを避けるなど日常生活での注意が必要です。

ケロイド - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

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